少額訴訟制度の活用を


 敷金が思ったほど返ってこなかった、あるいは、アパートを貸していて賃借人のひとりが、5万円の家賃を5ヵ月滞納して、催促しても払ってもらえず困っているとします。話合いでは解決できそうもないし、通常の裁判をするには費用と時間がかかってしまう。こんな場合は、あきらめる前に、簡易裁判所の少額訴訟を利用してみるといいでしょう。これは、平成10(1998)年に訴訟を一般市民にも利用しやすいようにと新設された制度です。最大の長所は、裁判が早く終わることです。

家とお金

この少額訴訟を利用して、簡易迅速に判決を取得し、場合によっては強制執行をしてお金を返してもらおうとするものです。特徴をまとめると、①30万円以下の金銭の支払を目的とする事件が対象になります。②原則として、1回の期日で審理を完了し即日判決です。③証拠は、即日判決が下せるようにその場で調べられるものに限られます。例えば、契約書、領収書、借用書、写真など、証人は、当日法廷に立てることが原則です。少額訴訟手続に向いているのは、証拠が揃っていて争点が少ないものです。例えば相手がお金を借りたことは認めているが、返し方でもめている場合などです。内容が複雑で、証明が難しい事件には、向きません。また、訴えられた側としては、通常の訴訟手続での審理を望む